■日本で初めて全身麻酔手術をしたのは沖縄人?

■華岡青洲

■華岡青洲絵

1805年、和歌山の医師・華岡青洲が、チョウセンアサガオを主剤とした麻酔薬「通仙散」を発明し、
麻酔による乳ガン手術に成功した。これが、わが国における麻酔を使った最初の手術で有る、と言われている。
ところが、青洲の手術に先立つ事115年前、全身麻酔を用いて兎唇(みつくち)の手術をおこなった人が沖縄にいた、と言う記録が有る。
世界で最初に麻酔手術をした人は、今から凡そ千八百年前の中国の医師・華殷だと言われている。
17世紀の中国・福州に、その華殷の流れをくむ、黄会友という名医がいた。
黄は、麻酔手術によって兎唇を治すというので評判だった。
この噂を聞いて喜んだのは、ちょうどそのころ、福州に留中だった琉球の進責使一行で有る。
というのは、琉球国王の孫、尚益が兎唇であった為なんとかしてこれを治すことが国家的な関心事になっていたからだ。

■高嶺徳明

■高嶺徳明絵i

そこで、兎唇術を随員の一人に学ばせる事にし、白羽の矢がささったのが、高嶺徳明という36歳の那覇士族だった。高嶺は、別に医学の知識があったわけではなかったが、中国語に堪能で有る事を見込まれたので有る。
徳明は、さっそく黄会友にあって、その術を伝授してほしいと申し入れた。しかし黄は、先祖代々、一世一伝の秘伝だからと言って、その申し出を断った。しかし、徳明は諦めずに、これは国家の命運にかかわる重大事で有り、絶体に口外はしないと約束して、黄を説得した。黄は、とうとうその熱意に負けて、秘術を伝授し、秘伝書を与えた。徳明は、翌年5月に帰国すると、まず、男女二人の子供に手術をほどこし、好結果が得られると、尚益の手術を行い、見事に成功をおさめたのだった。ときに1689年11月20日の事だったと言う。
その後、徳明は、薩摩の琉球在奉行の命によって、奉行所つきの医師にこれを伝え、秘伝書も与えた。この秘伝書が、およそ1世紀をへて、華岡青洲のもとに伝わったのだと言われている。ところで、徳明は、他人に口外しないと言う黄との約束を破った為、自分の子孫が医者になる事を禁ずる。と言う過言を残して死んだと言う。

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